MBHCC A-7

■この秋発売の新刊です。

 猛暑も過ぎ去り、やっと涼風のさわやかなツーリングの季節になりましたね〜。皆様いかがお過ごしですか?
 さて、この夏執筆した単行本の表紙が上がってきました。タイトルは、『柴犬マイちゃんへの手紙』(柳原三佳著)。11月末に講談社の『世の中への扉シリーズ』から発売予定です。2010年に東京で起こった、若者による無謀な事故を取材させていただきました。

 原稿を書きながら、心の中で何度も泣きました。

 つい先日、京都でも初心者ドライバーの無謀運転による事故が発生しました。テレビのコメンテーターの中には、通学路の安全……云々と述べている人もいましたが、私は、ドライバーのモラル、教育のあり方に大きな問題意識をもっています。免許を取る前から、ハンドルを握ることがいかに責任の重いことであるか、そして一瞬の事故が、被害者遺族にどれほどの苦痛を与えるかということを、しっかりと認識させることが大切ではないでしょうか。

 今回の本はこれから免許をとる子供たちにぜひ手にとってもらいたいと思って書いた、高学年以上向けの児童書です。もちろん、大人の方にも十分お読みいただける濃い内容です。まだ発売まで少し時間がありますが、皆様、ぜひ読んでみてくださいね。
 どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m

*   *   *   *   *
■『柴犬マイちゃんへの手紙』(柳原三佳著・講談社)
11月下旬発売予定

[本書の内容]

信号待ちをしていた祖父母と孫に突っ込んだ無謀運転の車
理不尽に奪われた子供の命の尊厳を取り戻すべく、遺族はたたかった
そして、そんな彼らを癒やし、支える愛犬が実在する
交通事故は人々からなにを奪うのか。すべてのこどもたちに伝えたい

 2010年12月26日、歩道で信号が青になるのを待っていた祖父母と二人の孫、そしてあと一日遅ければ殺処分というタイミングで保健所から引き取られた柴犬マイちゃん。そこに、大音量でかけたラップ音楽に合わせて体を揺らしながら蛇行運転する乗用車が突っ込んだ。過失割合が100%という無謀な運転で、幼い二人の命が奪われたのだった。
 休みのたび、祖父母の家でマイちゃんに会えるのを楽しみにしていた、いとこ同士の二人は、犬をはさんで川の字になって寝るほど仲がよく、祖父母は「三人は本当の兄弟みたいだね」と目を細めた。その幸福を一瞬で奪ったドライバーに対して、交通事故ではもっとも重い刑罰が与えられる危険運転致死傷の罪に問えるかどうかの裁判が始まったが……。
 一方、事故で生き残り、孫の死に責任を感じ続ける祖父母を癒やしたのもマイちゃんだった。そして、癒えることない悲しみとともに生きる決意をした遺族が、気力を振り絞って開いた遺品の中から、二人がマイちゃんに宛てた手紙が見つかった——。

amazonで先行予約受付中です!

柳原三佳
柳原三佳
(やなぎはらみか)

1963年京都市生まれ。交通事故、司法問題等を中心に執筆。「週刊朝日」「ミスター・バイク」などに連載した告発ルポは自賠責制度改定の大きな契機に。また、2004年からは死因究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じた。主な著書に『遺品〜あなたを失った代わりに』(晶文社)、『これでいいのか自動車保険』(朝日新聞社)、『死因究明〜葬られた真実』(講談社)、『焼かれる前に語れ』(WAVE出版)、『交通事故被害者は二度泣かされる』(リベルタ出版)、『自動車保険の落とし穴』(朝日新聞出版)、『交通事故鑑定人』(角川書店)、「裁判官を信じるな」(宝島社)、東日本大震災での歯科医師の活躍をルポした『家族のもとへ、あなたを帰す』(WAVE出版)など多数。『巻子の言霊〜愛と命を紡いだある夫婦の物語』(講談社)は、NHKBSプレミアムでドキュメンタリードラマ化されている。

●柳原三佳のホームページ
http://www.mika-y.com/

●柳原三佳のブログ
http://mikay.blog44.fc2.com/

●柳原三佳の著書紹介
(amazonにリンクしています)
●柳原三佳への問い合わせはこちらから


[第11回へ][第12回][第13回へ]
[ジャーナリストEyesバックナンバー目次へ]
[バックナンバー目次へ]