草原地帯の1本道を走る。トゲアカシヤの大木の合間にキリンが見える。彼方にはシマウマやヌー、ガゼルの姿も。 公園内でもないのに……自然が豊かなのだ。
途中でポリスチェックに止められた。アフリカではよくあることなので別段気にせず車を止めると、「20キロのスピード違反だ。罰金は5000シル(約5千円)だ」との事。70キロの道を90キロで走っていたという。
「そんなにスピード出してないよ。人間も荷物も一杯で、そんなにスピードは出せないよ!」と抗議をすると、「あんた達は日本人だろ。このスピードガンは日本製だ、だからこのスピードは正確だ」と自信たっぷり。ついさきほどケニアに入国したばかりで、ケニアのお金を待ってないし……なんとか見逃してくれませんかと目配せしながらダンボールを開けて見せた。中には小麦粉や米といった主食に、野菜類、蜂蜜やケチャップとなど調味料が一抱えほど入っている。
すると無表情だった警察官の顔が一気に笑顔に変った。
スピード違反のことなど忘れて、ダンボールの中に目は釘付けだ。実はもう旅も終わるので、食料品は荷物になるだけ。途中の村人にでもあげてしまおうと考えていたものなので、丁度よいグッドタイミングだった。お互いハッピーになり? 警官と握手をして別れた。
2時間ほど走ると左手、遥か遠くに高層ビルが見えてきた。首都ナイロビだ。