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★新シリーズ・添乗員ヨッティのバイクツアー裏レポート「賀曽利隆氏と走る ナイロビ→ケープタウン35日間」Vol.15


■前回までのあらすじ
 「自分のバイクで走るアフリカ縦断35日間ツアー」の第2回。無事にナイロビでバイクを受け取り、壮大なツアーがスタートした。キリマンジャロや野生動物を見てケニア、タンザニアと進んで行くが、次の国、マラウィに入国するときになって、サポートカーのランドクルーザーが故障。バイクとライダーのみマラウィに入国したが、ケニア人スタッフ、及び寝袋や荷物を積んだサポートカーはタンザニアに残ったまま。さて……どうなる? どうする??
その2・住血吸虫!! 恐怖の一夜

 タンザニアに残ったのは、ナイロビから同行しているケニア人スタッフ2人+日本人メカニック1人。結局、国境近くの町では車を修理することができず、そこから420km離れた町まで戻らないと部品が手に入らないということで、スタッフ1名は部品調達のため乗合タクシーで戻ることに。もう1人のスタッフと日本人メカニックは、国境を越えることが可能な地元タクシーを見つけてお客様の荷物を積み替え、なんとかマラウィに入国してひたすらキャンプ地を目指していた。夜遅く、我々が待つキャンプ地にめでたく合流する。

 翌日は同じタクシーに料金交渉をして、次の目的地ンカタベイまで荷物を運んでもらう。ここはリゾート地で、さらにクリスマスということもあり、ツアーの日程では連泊することになっている。このような長期に及ぶツアーでは、何かあったとき調整するために連泊を設定しているのだが、見事に役に立った。連泊している間にサポートカーは修理を終え、ツアーに追いついてくるだろうと希望的観測を図る。

 さて、先ほども述べたように「ンカタベイ」という町はマラウィ湖畔にある、ちょっとしたリゾート地である。連泊するキャンプ地は、プライベート・ビーチを所有する湖畔のロッジ。さぞ豪華な日々を送れるだろうと思っていたら、停電でポンプが動かず、水が出なかった。この国ではよくあることだ。天気は良く、大変暑い。せっかくの連泊だから洗濯もしたい。加えてプライベート・ビーチがあるのだから、泳がなきゃソンである。てなわけで、当然のように全員、湖で洗濯をして、そのまま泳いだ。とても気持ちよかった。

 その夜、同じロッジに宿泊していた青年海外協力隊の皆様と一緒にクリスマス・パーティを楽しんだ。その時、彼らは親切に忠告してくれた。

「湖で泳いだんスか!? 住血吸虫という虫が湖にいるので、危ないですよ。血尿が出ますよ」

 がびーん。それにしても住血吸虫とは恐ろしいネーミングだ。しっかり湖で泳いでしまった皆様、一気に「どよ~ん」という雰囲気に。添乗員として「虫がいる」くらいは言っておりましたが、実際にその虫がいるのはもっと南のエリアと言われているので、呑気に構えて詳しく説明していなかった。これはマズイ・・・!


マラウイ
マラウイに入ると一気に交通量が減った。快適に走る。

ンカタベイ
リゾート地らしい1コマ? この青い湖、泳ぎたくなるのも無理はない。でしょ?

ンカタベイビーチ
ンカタベイのビーチ。クリスマスだから? すごい人だ!

ウガリ定食
東アフリカの典型的なウガリ定食。

 が、しかし、世の中うまくできておりまして、イギリスからのお医者さんも同じロッジに泊まっていたので相談すると、「ここら辺りの水はそんなに心配ない。念のために薬局で薬を買っておくとよい。でも症状が出るのは泳いだ後から6週間後だ。その症状が確認できたら薬を飲むように」とのこと。6週間後といえば、もうツアーも終了し日本に帰っている。日本の病院なら安心だ。加えて、マラウィ人ではなくイギリスのお医者さんの言葉というのも信頼できる。ということで、一同「ほっ」とする。一件落着。よかったよかった。

 そんなドタバタをしているうちに、修理を終えたランドクルーザーがめでたく戻ってきた。気を取り直して、我々のツアーは再スタートを始める・・・(つづく)


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