県道12号線を通って国道13号線を横手市方面に走り、県道267号線を左折。県道267号線沿いにあった看板に沿って田園地帯を進み、静かな公園とキャンプ場に囲まれた小高い場所に目的地はあった。雁の里温泉「湯とぴあ」は秋田県仙北郡美郷町にある日帰り入浴施設だ。入湯料は400円。どっしりとした作りの玄関をくぐって中に入る。建物内は小奇麗な感じで、湯船は内風呂のみ。お湯は無色透明の適温で、優しい肌触り。朝風呂(正確には第2湯目か…)にちょうどいい感じのお湯だ。
外に出ると曇り空だが、雨は止んでいた。このまま天気が回復してくれることを願いつつ、第2湯目に選んだ大雄温泉「ゆとりおん大雄」に向かう。国道13号線に出て横手市方面に進み、県道29号線を左折して、雁の里温泉から20分ほどで到着した。大雄温泉「ゆとりおん大雄」は秋田県横手市大雄にある温泉宿だ。入湯料は480円。浴室は健康ランドのように開放的で、内風呂のみだが、湯船は数種類用意されている。無色透明のお湯は源泉が約52℃あるためか熱め。舐めてみるとちょっと塩気がある。建物はモダンだが、湯治的な感覚で楽しめる温泉だ。汗を拭いながら装備を着用し、次なる目的地に向かう。
第3湯目に向かう前に、JR横手駅に向かった。なぜ駅に向かったのかというと、「横手やきそば」が食べたかったからだ。横手やきそばは第1日目の錦秋湖SAで食べたが、これはあくまでも食べられなかった時の抑え。本拠地である横手市で食べるのが本来の筋だ。ということで、横手やきそばが食べられる場所を見つけるべく、経験上、駅ならパンフレットとか置いており、あわよくば駅ビルなどで食べることができる。なのでJR横手駅に立ち寄ったのだ。
JR横手駅に到着すると、地方都市の駅のように人影は多くなく、1階部分に案内所があってパンフレットは入手できたが、駅ビルはなかった。パンフレットを見ながら食べられそうなところをチェックしていたら、駅近くに温泉があることがわかった。お昼までちょっと時間があるので、駅から数分のところにある「ゆうゆうプラザ」に向かった。
横手温泉「ゆうゆうプラザ」は秋田県横手市駅前町にある宿泊施設だ。入湯料は1000円とやや高めだが、割引券があれば半額(500円)になるという。ビジネスホテルのようなモダンな建物で、一見すると温泉宿には見えない。浴室・内湯ともに綺麗で、大浴場という名称どおり広々としていてくつろげる。露天風呂はそれほど広くはないが、庭園風の落ち着いた作り。さらりとしたお湯は無色透明でやや熱め。駅から徒歩数分なので、鉄道旅行の方でも立ち寄りやすい。
湯上り後にロビーで横手やきそばが食べられそうな場所を探していたら、駅前のロータリー横にあることが判明。ロビーに併設されているお土産売り場で横手やきそばの素を発見して購入。お昼時で混み始める前にお店に向かった。駅前ロータリー横のお店は「食い道楽」という店名の居酒屋さんで、横手やきそば四天王5年連続受賞しているお店とのこと。これは好都合だ。居酒屋らしいカウンター席に座り「横手やきそば」(540円)をオーダー。見た目は昨日錦秋湖SAで食べたのと同じ、やや汁気のある麺に目玉焼きを載せたスタイルだが、モッチリ麺とソースはこちらのほうが味わいがあり美味しい。意外に食べ応えがあり、ご飯がついた定食セット(399円)ならお腹いっぱいになるだろう。やはりB級グルメはツーリングに不可欠だ。
所期の目的を果たして大満足したところで湯巡りに戻ることにした。午前中で3湯入っており、なかなかいい調子。順調に行けば8湯は入れそうだ。第4湯目に選んだのは、横手市内にあるあいのの温泉「鶴ヶ池荘」。横手駅から国道107号線に出て湯田方面に進み、いったんJR相野々駅に向かってから行こうかと思ったが、なかなか辿り着けない。JR相野々駅から国道107号線に向かう小道を進んでいたら看板を発見。どうやら国道107号線からすぐのところにあったようだ。
あいのの温泉「鶴ヶ池荘」は秋田県横手市山内土渕字鶴ヶ池にある宿泊可能な日帰り入浴施設だ。入湯料は500円。内風呂は広くて綺麗。露天風呂からは名称にもある鶴ヶ池が見える。和風(杜氏の湯)・洋風(清流の湯)風呂が日替わりで男女入れ替わるという。訪れた時の男湯は清流の湯だった。ここもお湯は無色透明だが、源泉が熱めのためか、湯船に供給されるお湯も熱い。
相変わらずの曇り空だが、雨は降りそうにない。それだけが幸いだ。さて、ここからどこに向かうか迷ったが、湯田方面は昨日の出来事もあり嫌だったので、あいのの温泉から近い国道107号線沿いにある巣郷温泉に入り、そこから横手市内に戻って湯沢市方面に向かうことにした。
あいのの温泉から10分ほどで巣郷温泉に到着したが、国道沿いの日帰り入浴施設はどこも休業。いちばん手前(横手市側)にあった「クアハウスすごう」に寄ったところ入れるとのこと。ただ「今日は断水の影響で内風呂だけなんですけど、いいですか?」と言われた。どうやら他の施設は断水のために休業らしい。ここまで来て入らないという選択肢はあり得ないので入ることにした。入湯料は300円。内風呂は広くはないが、窓からは残雪が見える。とても5月の景色とは思えない。お湯は無色透明で熱い。源泉が約73℃なので当然だ。さすが東北地方は源泉が高温の温泉が多い。
巣郷温泉に入れてホッとしたところで、次なる目的地に向かう。国道107号線を横手市内方面に戻り、県道320号線(南郷黒沢線)を南郷方面に進み、県道40号線に出たら左折してすぐのところにある南郷夢温泉「共林荘」に到着した。南郷夢温泉「共林荘」は秋田県横手市山内南郷字大払川にある温泉宿だ。入湯料は450円。ここの温泉は泉質の異なるお湯が供給されており、硫黄泉の本館元湯は内風呂のみ。小さめだが、地元の方で賑わっている。新館にあるアルカリ泉のほうは露天風呂があり、内風呂ともに広め。どちらのお湯もやはり熱めだ。異なる泉質の温泉が楽しめるのは旅人ならずとも嬉しい。
南郷夢温泉を出て横手市内には向かわずに、県道40号線を湯沢市方面に進もうかと思ったところ、何と11月から6月上旬まで冬期通行止め。確かに標識から先は雪がびっしり積もり、雪解け水が川のように流れている。時間は午後3時。大きなタイムロスだが、こればかりは仕方がない。ルート変更して県道40号線を横手市内に向けて戻り、国道342号線、国道13号線を通って湯沢市に向かうことにした。
国道342号線を通り国道13号線を走っていたら、玉井カメラマンから電話が入った。電話してみると、山形県最上郡にあるグリーンバレー神室(かむろ)というキャンプ場にいるから来ないかとのこと。地図で見ると、国道13号線からアクセスでき、湯沢市からそれほど遠くはない。さらに場内には温泉もある。そろそろキャンプ地を探さなくてはならなかったので合流することに決めた。
時間は午後4時。グリーンバレー神室に向かう前に、もう1湯入ることにした。国道13号線沿いで入れそうな温泉を探したところ、院内という駅の近くにある院内老人憩いの家温泉「湯沢市役所リフレッシュ交流センターほっと館」を発見。アクセスしやすそうなのでここに向かうことにした。先ほどまでは曇り空だったが、気づけば晴れ間が出ている。ようやく天候が好転し始めてきた。
院内老人憩いの家温泉「湯沢市役所リフレッシュ交流センターほっと館」はJR院内駅に隣接した秋田県湯沢市下院内田用橋にある日帰り入浴施設だ。入湯料は400円。内湯のみだが、無色透明のお湯は高温と低温の2種類ある。肌触りはスッキリ、スキッとしており、湯上りが気持ちいい。銭湯感覚で毎日入れそうな温泉だ。
ほっと館を出たところで午後5時を過ぎていた。ここからグリーンバレー神室までは20km以上はありそうだが、日が落ちるまでには到着できそうだ。国道13号線を通り、県道73号線を左折して神室ダム方面に進んだ5kmほど進んだところに目的地があった。グリーンバレー神室は山形県最上郡金山町にあるレジャー施設だ。冬はスキー場、夏はキャンプ場として運営されている。キャンプ場の横にはせせらぎが流れる緑豊かな静かな場所だ。
ひとまず場内に入り、テントサイトらしき場所で玉井カメラマンを発見し、無事合流。管理棟で利用料400円を支払い、テントを設営。玉井カメラマンが用意した焚き火を囲みながら夕食となった。玉井カメラマンとは知り合ってから15年以上になるが、意外にも2人だけでキャンプするのは初めてだ。
夕食後、場内にある温泉施設「ホットハウスカムロ」に行ってみることにした。神室温泉「ホットハウスカムロ」はグリーンバレー神室内にある日帰り入浴施設だ。入湯料は300円。建物はスキー場の雰囲気にピッタリなログハウス風。内風呂のみで、無色透明のさっぱり系のお湯はやや熱め。昨日もそうだったが、キャンプ場内に温泉があると疲れも取れて身体も温まる。ここを選んで正解だった。