この図を見ていただければわかるかと思いますが、円に対して各接続路に小さな三角島を足しています。こうすることにより円への進入は明らかに左折しかできず右折はできなくなるため安全性は飛躍的に向上します。また今までの左方優先という感覚も、交差点だと思うから出てくる発想ですので、このような接続路にすれば高速道路の合流と同様に右後方からくる車が本線上の優先車両であり、自分はあくまで接続路にいて道を譲る立場にいることがわかりやすくなるでしょう。また三角島の設置により横断歩道を円から離し、かつ安全地帯を設けることで、横断者は道路を半分ずつ渡れるようになります。
一時停止についてですが、これは初期は仕方がないかなとも思います。ラウンダバウトというものに慣れるまでは安全のために一時停止をしてから進入するという方式を採ってもいいでしょう。しかしこれはあくまで導入時期の一時的なものとしなければ、そもそも導入した意味がなくなってしまいます。本場欧州のラウンダバウトには「GIVE WAY」という看板があります。これは「止まれ」ではなく「譲れ」という意味です。ラウンダバウトが一般化してきたら、日本にもこの「譲れ」看板を導入するべきでしょう。日本に導入されたラウンダバウトの映像を見ると、すでに一時停止はあまり守られていないようです。というのも、一時停止が必ずしも必要ではないのが利用者にもわかったからでしょう。特に郊外の、大き目で交通量の少ないラウンダバウトならば一時停止は不要なことも多いですし、ややもすると都合よく一時停止違反を取り締まるカモネギポイントにもなりかねません。
欧州、豪州、米国など、すでにラウンダバウトが一般化している国々で運転してきた経験から、ラウンダバウトのシステムはぜひ日本でも定着してほしいと考えています。そのためにはラウンダバウトの設計も重要なポイントに思います。未完成なシステムを導入して「やっぱり機能しないじゃないか」では宝の持ち腐れ。ある程度の曖昧さや譲り合いも必要なシステムですが、うまく機能させることができれば非常に有意義なのですよ!
さて、今回の英語「Angle of the dangle」ですが、アングルは角度、ダングルとはぶら下がり、という意味です。ここまで述べてきた前照灯の話もラウンダバウトの話も角度が重要だというのはわかっていただけたと思います。この他、バイク関係でも角度の話はたびたび出てきますね。フォークのキャスター角やスイングアームの垂れ角、エンジンの前傾角や左右のバンク角など、様々なものの角度というのはとても重要なのです。
よってこの言葉、Angle of the dangleとは物事を説明するのに幅広く使われている表現です。しかし韻を踏むことで面白がっていることからもわかるように、真面目な言葉ではなく軽い会話で出てくる表現ですね。
「なんで転んだの?」「ちょっとAngle of the dangleがね…」
「サスセッティングはどう?」「Angle of the dangleが出ないんだよ」
…などと、必ずしも答えにはなっていないけれど、「なんだか色んな角度の関係でうまくいかなかった」(もしくはうまくいった)などと答えているわけです。
様々な物事も様々な角度から検討するのが大切に思います。特にラウンダバウトについては多角的に検討し、より良いものにしていきたいですね。
あ、ダングルの意味ですか? そうですよ、ぶら下がり、という意味です。そう、ぶら下がっている角度によってその日の調子がわかるというわけ。
この表現の語源、男性諸君にはもうお分かりでしょう。