MBHCC B-6

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カメラマン 志位充一
職業はカメラマン。誰にも優しい人柄で、あらゆる方面に幅広い人脈を持つ。愛車SL230でホンモノのSL(蒸気機関車)を追いかけ回す筋金入りの撮り鉄でもある。

第6回「暑さ逃れて高原に! のはずが……」

 みなさんこんにちは。連日の暑さにバテバテの私。たまりません。あまりの暑さでピンときました。そうだ! 涼しい高原に行こう! 連日満員電車だけでバテバテになってしまう勤め人のみなさまにはたいへん申し訳ないのですが、これもフリーカメラマンの特権。中央自動車道に乗り、いざ行かん八ヶ岳高原へ!

 
 と走り出したのですが、すぐに高速道路も飽き、勝沼インターで下りて20号線をひた走ります。あちこちにいるおまわり様と目を合わさないように、CBだけど忍者のごとくクルマかき分けかき分けて韮崎へ。ここから私の好きな道、七里岩ラインにむかいます!

 
 この日は生憎の曇り空。天気が良ければアルプスの雄大な眺めを堪能できるのですが……交通量も少なくトコトコ走って気がつけば小淵沢。ここでは鉄の血が寄り道を要求します。

 
 頭の中に埋め込まれた時刻表によれば、もうすぐJR唯一のハイブリッド列車がきます。6気筒450馬力のディーゼルエンジンで発電した電気を蓄電池に貯めたり、発電機と蓄電池の両方で加速したり、減速時には回生したりという最新技術を使って、電動モーターで駆動するキハE200形です。難しい話は抜きにして、これを撮らずして撮り鉄の名が廃ります。

 
 JR小海線の某有名撮影地の大カーブでカメラをセット。しかも平日なのでお一人です。これで天気が良ければ素晴らしい景色が……なのですが、あいにくの曇り空、いや何やら雨までもぽつりぽつり。通過時刻が近づくにつれてどこからともなく鉄仲間もぽつぽつと増えていきます。みなさんお好きなんですね。さすがにバイクでくる鉄はいませんでしたが。

小海線の有名撮影地 天気が良ければ 最高のロケーションが。

 
 ほどなくしてお目当て列車を無事に撮影。次の撮影ポイントに移動です。撮鉄するとき、地方ならバイクは駐めるのも比較的自由で便利! なのですが、雨は……ですね。

 
 列車を待つ間にカメラ片手にロケハンします。バイクを駐めたところから50メーターくらい離れたところがよさげです。ここではレアな列車で鉄分高めにゲットです! しかし、バイクに戻るとレンズをしまうポーチがありません。風で飛ばされたのかとウロウロ探していると、「カラスらしき鳥がもっていったよ」と鉄仲間様がおっしゃいました。なに? 泥棒カラスめ! 付近を探すも見つかるわけもなく。これもお月謝といさぎよく諦めて、次の目的地八ヶ岳高原にむかいます。

こんなにレールの近くまでCBでいけちゃうんです! もちろん、近づきすぎはいけません。線路に入ってもいけません。当たり前ですが。 この日はめったに会えないキヤE193も来た! 新幹線でいうドクターイエローの在来線。めちゃくちゃ貴重! ですが、まっ、鉄じゃないとね?

 
 八ヶ岳高原ルートを走り清里への予定でしたが、ふと見れば何やら道路の横の看板が。信玄の棒道? これを見なくては、下道好きの名が廃るというものです。いつものごとく寄り道です。

 
 ルート外れて少し走るとすぐに棒道を発見! バイクを駐めて歴史ありそうな小道を歩いて散策します。

八ヶ岳高原ラインの周辺の道路。穏やかな緑のトンネルが続いている。 信玄の棒道の看板は何故か陶器でした。
なんとも言えない雰囲気の棒道。クルマの轍は当時はないねきっと? だからトレールバイクで走ってはいけませんよ。轍を残してはいけません!

 
 適度にお散歩して清里へ。とここでまた雨が。それでもめげずに進むと行く手の方角は、黒い雲で覆われているではないですか。これはやめた方がいいのかなとルート変更です。

 
 途中で三分一湧水公園なるところがありました。ここは地中から湧き出た水を各地区に3等分している所だそうです。もめがちな水利権を平和に解決する昔の人の知恵でしょうか。近くにはおいしいお蕎麦屋さんもあるのですが、目的のお店があるので我慢して進みます。

湧水公園の入り口の看板。なるほど! と、軽くお勉強してから入りましょう。 これが三分に分けている所。手前から流れてきた水が3方向に別れて行きます。
地中からいきなりど~と綺麗な水が湧いています。 広い駐車場の横にある名水を使ったお蕎麦屋さん。以前頂きましたが美味しかった記憶が。

 
 この先は舗装された林道を走って清里への予定でしたが、なんと道が崩れて通行止めでした。やむなく戻って国道で清里を目指します。
 進むに連れて標高も1000メーターを軽くオーバーします。さ、寒い。暑さから逃れてやってきたのですからある意味問題ない? のですがメッシュのジャケットだけではあまりに寒いのです。カッパをかさね着ようかと悩むほどの気温です。さすがは高原です。

ポスターにもなっているこの橋、道がいいからと飛ばしては行けません! 休日は画面の奥に青い服の方たちが待っていますよ! C56形149号機、何十年ぶりかのご対面。以前はもう少し標高の高いところの広場にあったはず。今は 清里駅前に。現役の頃は高原のポニーと呼ばれていました。

 
 それでも我慢我慢で清里に到着。駅前では懐かしのC56形蒸気機関車とご対面です。その昔は別の場所にあったのにここに引っ越してきたのね?
 雨もそこそこ降って寒いので、そそくさとお目当てのお店にむかいます。そう、ロックのカレー! 何度となく来ている定番のお店です。

清里ではあまりに有名なロック。ウインナーの盛り合わせに定番のカレー(写真は前に訪ねたときに撮ったもの)。今回はいただけませんでしたが、キャベツレタスとのコラボがイイね! 当日もkawasaki Zご一行様が停まっていました。食べたかった……

 
 しかし雨が本気を出してきました。そしてかなり寒いのです。お店の前で悩んだあげく、今日は勇気ある撤退、下山を決めて走ります。でも、標高が下がるに連れて気温も天気もどんどん回復しました……途中コンビニに寄ってパンをかじって、昼食に。まっ いつものスタイルですがね。

 
 帰り道はナビを見ながら未知の田舎道を探します。すると発見しました! 素晴らしいワインディングです。交通量少なめなのですが、いたるところでおまわり様の目が……こんないい道だと、ついついスピードも上がり気味です。事故とおまわり様には十分気をつけてトコトコ走りで甲府に戻り、一転してうだる暑さの中、お金節約のためひたすら20号線で帰りました。

雨から逃れての田舎道ハイク。クリスタルラインは、なんかめちゃ綺麗になってました! タイトなコーナーが続きます。平日はガラガラ! まだ未完成で途中までの甲府に続く? 広域農道は笑っちゃうほどいい道! 自分のバイクナビにもない道ですが取り締まりしますの看板あり!
吐竜の滝。八ヶ岳山麓には綺麗な湧水がいたるところから。ここはパワースポットらしい?   帰り道に回ってみた北杜市明野のひまわりはまだはやかった。今からがいい季節で、映画のロケにも使われて人気があります。近くには日帰り温泉も。

 
 天気に恵まれれば最高の八ヶ岳高原です。高原は涼しいより寒かったとは、普段の行いが出る旅でした。
 今回の総合燃費は38km/L。いいんじゃないでしょうか。


■取材協力 ホンダモーターサイクルジャパンアライヘルメット
   
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